産業廃棄物とは、「事業活動に伴って発生した廃棄物」のうち、汚泥・廃酸・廃プラスチック類など20種類の廃棄物と輸入された廃棄物です。これらの産業廃棄物の処理を業とすることを「産業廃棄物処理業」といい、処理業は「収集運搬業」と「処分業」に分類されます。
収集運搬業は積替え保管のある場合と無い場合に分類されますが、ここでは積替え保管なしの場合について解説します。
産業廃棄物の収集運搬とは、産業廃棄物処理業者が排出者の保管場所から廃棄物を収集し、処分する場所まで運搬することをいいます。
他人から委託を受けて産業廃棄物の収集運搬を業として行う場合、「産業廃棄物収集運搬業」の許可を受けなければなりません。廃棄物を積み込む場所、降ろす場所それぞれの都道府県知事からの許可が必要とされます。
例えば、兵庫県で廃棄物を積み込み、大阪府で降ろすといった場合には、兵庫県と大阪府の許可が必要です。(通過するだけの自治体の許可は不要。)
産業廃棄物収集運搬業の許可を受けるためには5つの要件を満たす必要があります。
産業廃棄物を外部に飛散・流出させず、悪臭が漏れないような運搬車、運搬容器、その他運搬施設を保有しなければなりません。
産業廃棄物の知識を得るため、公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施する講習会を受講し、産業廃棄物収集・運搬過程(新規)を修了する必要があります。
利益が計上できている、債務超過でない、など産業廃棄物の収集・運搬を的確に、かつ継続して行うに足りると認められる経済的基礎を有することが必要です。
申請者(法人の役員、株主又は出資者、政令で定める使用人を含む)が次のいずれにも該当しないことが必要です。
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排出者、収集運搬する産廃の種類と形状、運搬量、排出先などに矛盾がなく、適法かつ適正な事業計画を整えなければなりません。
産業廃棄物収集運搬業許可の有効期限は5年です。
引き続き事業を継続する場合は「更新許可申請」が必要です。5年の期間ごとに更新をしなければ期間の経過により許可は効力を失います。更新の申請をする際は、新規の申請時と同様に更新講習会を受講しなければなりません。
許可取得後に、産業廃棄物の種類の追加など、事業の範囲を変更するときは変更許可の申請が必要です。
許可申請手数料は下表の通りです。
申請の内容 | 申請手数料 |
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新規許可申請 | ¥81,000 |
更新許可申請 | ¥73,000 |
変更許可申請 | ¥71,000 |
許可申請の内容が許可の要件に適合しているかどうかについて書類審査が行われます。審査の結果、許可となった場合は許可証が発行されます。